【社会】薬局からCM用マスコットを強奪　マニアの犯行か－埼玉

十四日午前十時十五分ごろ、越谷市蒲生旭町の薬局で、店に入って来た男がいきなり経営者の男性（７１）の胸ぐらをつかみ
催涙スプレーのようなものを噴射し、男性が倒れたすきに棚に飾ってあった製薬会社のＣＭ用のマスコット人形二個を奪って徒歩で逃げた。
越谷署は強盗事件として捜査している。
調べでは人形は二個とも高さ四十―五十センチで、一つは怪獣のような容姿の「カゼラ」、一つは耳が大きいのが特徴の「トラベルミン坊や」。
男は無言で現金などには手を付けなかった。三十歳ぐらいで、身長約一六○センチ。やせ形で髪はぼさぼさ、グレーの長袖シャツに黒っぽいズボンをはいていた。

「カゼラ」と「トラベルミン坊や」―。
盗まれた人形二体はいずれも一九六○年代に作られ、一般には販売されていない希少品だった。
アンティークおもちゃなどに詳しい専門家は「どちらも現在では手に入りにくい非常に希少な人形。販売価格は三十万円から五十万円以上の値がついてもおかしくない」と口をそろえた。
サトウ製薬の広報担当者によると、「カゼラ」は風邪の菌をばらまく悪役のキャラクター。同社が一九六○年代に人形を作製し薬局などに配布した。
当時はテレビＣＭや映画にも出演したが、現在はゾウの「サトちゃん」に切り替わっている。
「トラベルミン坊や」人形は製薬会社「エーザイ」が一九六四年に作製。同社によると、人形は薬局などに販売促進用として配られたが、二十年ほど前に原作者が他界して以降、製造されていないという。
アンティークおもちゃの専門店「アンバランス」（所沢市）によると、どちらの人形も愛好者の間では有名で、入荷しても一カ月以内に売れてしまう人気商品という。
古おもちゃ専門店「ゴジラや」（東京都杉並区）の木澤雅博店長は「大きさからすると一九六○年代に作られたもの。
ほとんど市場には出回っておらず、オークションでも五十万円以上の値が付く貴重品。早く犯人を捕まえてほしい」と話した。

http://www.saitama-np.co.jp/news05/15/21x.htm

【社会】薬局からCM用マスコットを強奪 マニアの犯行か－埼玉

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