【九州】ツシマヤマネコ初帰郷（画像あり）

　福岡市動物園が取り組む国の天然記念物ツシマヤマネコの人工繁殖が今秋、目標の野生復帰に向けて
新たな段階を迎える。同園では、この春の出産ラッシュで子ネコ六匹が増えた。親離れする秋には獣舎が
満杯になるため、環境省は長崎県・対馬に一時収容施設を建設する。同園生まれの少なくとも五匹を移す
方針で、初めての“里帰り”となる。
　同園では今春、四匹の母親が計八匹の子ネコを出産した。うち二匹が死んだが、それでも飼育数は過去
最高の計二十匹となり、十五匹分しかない同園の獣舎では間に合わなくなる。
　一時収容施設は、対馬の野生生物保護センターがある棹崎公園内の約四百平方メートルの敷地に建設。
十二匹程度を収容し、健康管理や給餌を行う。福岡から移るヤマネコは、将来の野生復帰の候補にもなる。
　福岡市動物園での人工繁殖は、環境省の保護増殖事業の一環として一九九九年に本格スタート。翌春の
赤ちゃん第一号誕生以後、毎年、子ネコが生まれ続けてきた。
　環境省の担当者は「野生復帰には、ある程度まとまった数の個体が必要だが、七月には自然に返す手順
を示す基本構想もまとまる。準備は着々と進んでいる」と話している。
　福岡市動物園の担当者は「獣舎の収容能力は限界にきている。環境省からまだ、公式の連絡はないが、
秋には今年生まれた子ネコが成長するため、数匹程度をどこかに移す必要はある。対馬に移すのか、別の
場所で受け入れてもらうのか調整が必要だ」としている。

（ソース）
http://www.nishinippon.co.jp/kyushu_flash/kyushu_flash.html