【社会】愛犬の服づくり当たった　富山の衣類メーカー

愛犬用の服をインターネットで販売する衣類メーカーが小矢部市にある。
従来は大手アパレル会社の下請け縫製が業務の中心だったが、００年から独自にペット犬の服づくりに取り組んだところ、
その後の小型犬ブームで当たったという。

この会社は８９年に設立された「ゼフィール」。長谷川悦子社長（５４）の実の妹２人に長女の奈美さん（２６）も加わった家族型経営だ。
社長が経営全般、妹２人は縫製技術と工場管理、長女がインターネット対応という風に、得意分野で役割を分担している。

ブランド名は「ｉ　Ｄｏｇ（アイ・ドッグ）」。テレビコマーシャルの影響で小型犬ペット人気に火がつき、今では秋・冬物６０種、
春・夏物６０種で約１２０種類というデザインを持つ。それぞれに色や柄を組み合わせて注文できるため、
組み合わせは数万種類となることが強み。デザインは従業員同士がアイデアを出し合って決める。
素材の基本は水分を吸収しやすい綿１００％。これまでのヒット作は昨年末に出した、干支（えと）のサルを
かたどった「サルコート」（３１００円）。愛犬に着せて撮影し、年賀状にする客が多く、人気を集めたという。
柄は全般的にピンクなどの「かわいい」ものが人気といい、値段は１７００円（ワンピースなど）から４８００円（スカジャンなど）が中心だ。
商品を掲載したインターネットのホームページで注文を受けてからオーダーメードで製造にかかるため、
ニーズに合わない在庫を抱えずに済む。注文は全国からあり、月約１千万円の売り上げがあるという。

同社はもともと、スポーツウエアの下請けによる縫製作業が主だった。
飛躍のきっかけは００年ごろ、長谷川社長が商社勤務の友人から「今はペット関係が強いよ」と聞いたことだった。
今でこそ景気回復への期待が高まっているが、当時はバブル崩壊後の不況でアパレル業界もパイの縮小が続いていた。
下請け業務以外に、会社独自で取り組めるものを模索していた時期。「ブランドものの服の下請けをしていたから、
幸い、技術には自信がある。愛犬の服には需要が多いのでは」と直感したという。

長谷川社長は「ずっと下請けを続けていたら、いずれ人件費の安い中国の会社に仕事を持っていかれると不安に思い、
独自でできるものを探していた。会社の強みが生かせる取り組みを始めたところ、結果的に小型犬ブームにうまく乗ることができた」と話した。

http://mytown.asahi.com/toyama/news02.asp?kiji=4379

【社会】愛犬の服づくり当たった 富山の衣類メーカー

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