【社会】「男の仕事」というけれど…、営業にも女性台頭――顧客の抵抗薄れる

企業の営業部門で実力派の女性社員が台頭してきた。
従来、女性営業職というと個人向け営業や営業事務が主だったが、法人など大口顧客を担当し、男性に劣らない実績を上げている。
働く女性が増えたとはいえ、女性の進出が最も遅れていた営業職。「営業は男の仕事」という固定観念に風穴が開こうとしている。

実力派の女性営業職が登場した背景には男女雇用機会均等法施行による女性の職域の拡大がある。
ただほかの職種に比べると営業職は女性の進出が遅れている。厚生労働省の2000年度女性雇用管理基本調査によると、
営業部門に男性社員だけを配置する企業がまだ約4割を占める。人事・総務・経理や企画・調査・広報などと比較すると営業はまだ男性色が強い職域だ。

ある機械メーカーの営業課長は「法人営業のように金額が大きな商談は女性に任せるのをためらってしまう」と説明する。
同社も10年ほど前は女性を営業職に積極的に登用していたが、いつの間にか立ち消えになった。
「考え方の古い顧客がいないとも限らず、万1、女性を担当にして顧客の機嫌を損ねては一大事。過去の慣習に従い、つい男性社員を担当にしてしまう」

企業の女性活用策を研究する一橋大学の守島基博教授は、「接待漬け営業は過去のこと。男性でなければできない営業はほとんどない」と指摘する。
むしろ今の営業職に求められるのは顧客のニーズを正確につかみ、それにきめ細かく対応できる能力だという。
「女性はこうした資質で決して男性に劣っていないし、むしろ勝っているようにも思える。企業にとっても女性営業職の活用はメリットがある」と訴える。

http://smartwoman.nikkei.co.jp/news/kateiview2.cfm?genreCode=w2&pos=1